2024/11/12 11:32
エッセージュシリーズの原料に使われているバラ、「ダマスクローズ」について調べてみました。
バラの女王という愛称がついているくらい、世界中で愛されているダマスクローズですが、一般的なバラとはどのように違うのでしょうか。
古代から愛された中東原産のバラ「ダマスクローズ」
ダマスクローズは特に香りが高いことで古代から知られているバラです。 世界で2万種以上もあるバラのなかでも特に甘く芳醇な香りをもち「花の女王」とも言われ、ローズウォーターやローズオイルを抽出する品種として珍重されています。
ダマスクローズという品種について
ダマスクローズは、バラの原種の交雑種
「ダマスクローズ」という呼び名は一般呼称で、品種としては「ロサ・ダマスケナ」という名前がついています。ダマスクローズはバラの原種というわけではありませんが、原種に近いバラの交雑種であることが判明しています。現代には野生のダマスクローズはなく、栽培されたものだけです。
ダマスクローズは栽培用としても人気
ダマスクローズはガーデニングとして個人で栽培することもでき、バラを扱う園芸会社のウェブサイトを通じて苗を購入することもできます。バラ栽培上級者に人気があり、日本ではつるバラとして育てることが多いようです。ダマスクローズというグループの中にもさらにいくつか栽培品種があり、バラの品種改良の元としても重要視されてきました。
花束のバラとダマスクローズの違い
バラの花束といえばロマンチックな贈りものの代表格ですが、花束として見かけるバラの多くは、茎がすらっと長く、花びらはシャープな形をしています。このようなバラをモダンローズといい、その姿は剣弁高芯という言葉で表現されます。剣先のような花びら、高く伸びた茎、という意味です。
ダマスクローズは、モダンローズとはかなり違った形をしています。首は伸びないで、葉に近くずんぐりと咲きます。ダマスクローズの花束というのは全国のお花屋さんを探してもまず見つからないと思いますが、それは、あまり花束に向いた形ではないというのが一番の理由です。
観賞用として美しい姿を追い求めて生み出されたのが花束用のモダンローズである一方、ダマスクローズはその先祖に近い種類であり、栽培目的も香料やローズ水を取るためです。それでこのように見た目にも違いがあるのです。
ダマスクローズの香りは何が違うの?
観賞用の姿が品種改良によって生み出されたのと同じように、香りもバラの品種改良においては大切な要素です。
バラの香りと聞くと「甘く濃厚な薔薇の香り」というようなフレーズをとっさに思い浮かべるものですが、じつは、バラの香りは多種多様です。甘くいかにも花らしい香りから、果物を思い起こさせる香り、バニラのような要素を持った香り、スパイシーな香りなど。
原種に近いダマスクローズの香りの成分は、モダンローズのいくつかの品種とは違う成分で構成されていることがわかっています。
ローズの香りの製品を出さない化粧品メーカーは存在しないと言っても過言ではないくらい、ローズの香りは人々に愛されています。もしかすると、人が「これがバラの香り」と思う香りは、意外と人によって差があるのかもしれません。
(参考文献 : バラの香りの美学/蓬田バラの香り研究所 著)
当店の「エッセージュ ローズシャンプー」については、「いわゆる濃厚なバラの香り」とは違った印象を持たれるお客様が多いようです。感じ方には個人差がありますが、どちらかといえばさわやかさや自然を感じる香りと表現されることが多いです。